1年に1度、床下内部を点検、確認する事で腐食やシロアリ被害を未然に防ぐ事ができます。
業者まかせにして床下内部を点検、確認した事がない方に簡単な点検方法と点検場所、点検ポイントを紹介します。
点検の必要性
人間は健康診断を受ける事で健康状態のチェック、自覚症状の出ていない病気の早期発見、治療を始められ、重症化する事を未然に防ぐ事が出来ます。
住まいも同じく、通常確認する事のない床下内部の健康診断、点検する事で健康状態のチェック、被害の早期発見、初期改修で老朽化による地震や台風被害の軽減、大規模な改修、リフォームを防いだり遅らせる事ができます。
老朽化の原因
木造住宅は地面に近い床下部分から腐食やシロアリ被害、老朽化が進みます。
腐食やシロアリの被害を引起す最大原因に湿度、湿気の多い事があげられます。
湿気が多くなる原因として、屋根の雨漏り、外壁の亀裂による雨の侵入、水道管の微量の漏水、排水管からの漏れ、地下水や傾斜地等の地盤や地質が悪い事があげられます。
湿気が多くなるもう一つの原因に床下内部の風通しが悪い事があげられます。
床下内部に乾燥した空気の流れがあれば湿度も低く抑えられます。
点検方法
床下内部を点検する方法
- 床下収納庫を上げる
台所や洗面所等に床下収納庫があれば内部収納庫を上げて点検が可能です。 - 畳下床板を外す
畳の部屋の中央部分の畳を上げ、床板を仮止め状態にしておけば、点検が可能です。 - 基礎換気口から覗く
外部から換気口に電器を当て土部分を点検する。
どの方法も困難な場合
- 洗濯パンに隠れた床板の一部を開ける。
- 押入れの床板の一部を開ける。
- 床板を張替え収納庫を設ける。
- 業者に収納庫を設けるかリフォームを依頼する。
点検場所とポイント
特に注意して点検したい場所が湿気が多くなり易い水周り、台所、洗面所、洗濯室等です。
点検ポイント
- 床下の臭いを確認する。
悪臭がすればカビの発生や排水管からの漏れによる湿気を疑い、場所の確認をします。 - 床下の土の色や湿り気を確認する。
地質や風通しが悪い場合、水分を含んで黒っぽい、或は白いカビが確認できます。 - 水道管や排水管の漏水や漏れがないか電器を当て確認する。
床下部分に這って進むスペースがあれば、近くで確認する。
内部基礎の換気口が小さく移動が困難であれば、双眼鏡で確認する。 - 土台、根太、柱、床板等、構造部分を確認する。
シロアリの発生や腐食がないか?
根太や床板の老朽が進んでいないか?
金物部分が錆びてボロボロになっていないか?
床鳴りがないか?
床を支える束や束石にシロアリ跡や腐食、隙間がないか?
コンクリート基礎にひび割れや亀裂がないか?
出来る限りの確認、調査を行って下さい。
注意したい洗濯パンの排水
洗濯パンが設置されている洗濯機の排水、床下部分は特に注意をして点検をして下さい。
10年以上経過した旧タイプの洗濯パンに多い床下排水漏れの原因を紹介します。
洗濯パン排水構造
旧タイプの洗濯パン排水構造は床下にある50φか60φの塩ビ排水パイプ立ち上り管に洗濯パンの排水が差し込まれるタイプです。
洗濯パンの排水パイプは洗濯機排水パイプと同じジャバラ、ビニールフレキパイプです。
塩ビ排水パイプに洗濯パンの排水が10センチ以上差し込まれていても塩ビ管から抜け落ち床下が汚水で水浸しのお宅を数軒、経験確認済みです。
床下排水漏れの原因
排水漏れの原因は洗濯機の泡状の汚水が一気に流れ込み、泡部分が塩ビ管隙間から逆流して吹き出し、洗濯パンの排水パイプを押し上げ、ジャバラ部分が塩ビ管の端で引っ掛り、長年にわたって少しずつ押し上げ、最後は抜け落ちると思われます。
点検後の対処法
悪臭やカビの発生が軽く、それ以外に異常が見つからなければ、風通しを良くする為乾燥した日に床下収納庫や南向き換気口から扇風機で風を送ると効果があります。
洗濯パンの排水パイプの修理が自分で可能であれば、抜け落ちない様、床下でテープや針金を使って固定して下さい。
腐食や漏水、基礎のひび割れなどは早めに業者に依頼するのが賢明です。
初期改修で老朽化、地震や台風被害、リフォーム費用の軽減を図りましょう!
大工の親父からのワンポイントアドバイス
住まいも健康診断する事で
愛着を持って労わろう!
最後に
被害の早期発見が大規模なリフォームを防いでくれます。
1年に1度の床下内部の点検が多額の出費を防いでくれますよ!