天板にキッチンパネルを使用したダイニングテーブルの作り方

料理教室で食卓兼調理台として使用するテーブルを既存テーブルのデザインや色、巾や高さに合わせて作りました。
ダイニングテーブルの天板には鏡面仕上げで耐水性がある抗菌メラミン不燃化粧板のアイカセラールを使用し、おしゃれで清潔感があり、角材の脚には丈夫でグラつかない様、補強金物を取付け、diyで自作出来る簡単な作り方になっています。

設計図や図面に添って材料を拾い出し、作成中の画像を参考にした、天板にキッチンパネルを使用したダイニングテーブルの作り方を詳しく紹介します。

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ダイニングテーブル制作のポイント

既存テーブル
ダイニングテーブルを制作するにあたり、LINEで既存テーブルの画像が送られて来ました。
既存テーブルサイズ 巾=800 長さ=1500 高さ=690

料理教室で既存テーブルに並べて使用するため、既存テーブルの天板デザインや色(白)、巾や高さを合わせ、テーブルサイズ 巾=800 長さ=1200 高さ=690で作成します。

一般的にはテーブルやカウンターの天板仕上げ材には、メラミン化粧板が使われますが、耐熱性があり汚れが拭きやすい鏡面仕上げの抗菌メラミン不燃化粧板を使用します。
又、テーブルの移動が多い事から、軽量で丈夫な作り方にしています。

抗菌メラミン不燃化粧板の特徴

アイカセラール
キッチンパネルとして使用する抗菌メラミン不燃化粧板のアイカセラールはキッチンの壁面やトイレ、洗面所の壁面に使われます。

アイカセラールをテーブル天板に使用したメリット

  • 手入れが簡単
    表面が鏡面仕上げのため、汚れが付きにくく調味料をこぼしても拭き取りやすい。
  • 熱や湿気に強い
    不燃化粧板で耐水性があり、お湯やフライパンの熱にも絶えられます。
  • 丈夫で衝撃に強い
    硬度や強度があり、充分にボンドで密着されていれば、ひびや割れにも強い。
  • 傷に強い
    硬度のある鏡面仕上げは傷が付きにくく、綺麗な表面が持続できます。
  • 衛生的で安心
    抗菌処理の仕上げは、衛生的で食卓や調理台に最適です。
  • 施工が簡単
    硬度があるため切断には専用刃が必要ですが、貼り付けは両面テープとボンド併用で簡単です。

ダイニングテーブル制作準備

ダイニングテーブルを制作するには、図面を描き、図面から材料を拾い出し、材料をサイズに加工し、長さを長めに切断して、使用する場所を決めておく必要があります。

設計図や図面を描く

ダイニングテーブル作成図面

設計図や図面を描き、テーブルの形や取り合い、納まりを把握しておきます。
頭の中では、作り方や作成手順が理解でき、テーブルが完成しているのが理想です。

材料を拾い出す

テーブル作成材料

図面に添って材料を長めに拾い出します。

  • 天板材
    キッチンパネル:750×1150
    針葉樹合板:750×1150(厚み12)
    外周額縁材(タモ集成材):35×25 
    長さ1250×2 850×2
  • 天板骨組み材
    天板外周材(ホワイトウッド):80×25(90×27材を加工)
    長さ1250×2 850×2
    天板中根太(ホワイトウッド):60×25(90×27材を加工)
    長さ850×3
  • 脚材
    角材(米松):43×43(45角を加工)
    長さ750×4
  • ペンキ仕上げ
    艶あり水性塗料(白)
  • その他
    L型補強用特厚折れ金物:60×4
    キッチンパネル専用ボンド
    キッチンパネル貼り付け用両面テープ
    丸棒:10○ ビス隠し用
    ビス:90、75、60 細ビス:35
    仮釘、隠し釘、木工ボンド、マスキングテープ

使用する道具

ダイニングテーブル作成に使用した道具の一覧です。

  • 集じん機用逆勝手丸のこ
    硬質窯業系専用刃でキッチンパネルの切断に使用
  • 電動丸のこ
    針葉樹合板や木材の切断に使用
  • ペーパーサンダー
    針葉樹合板や木材の研磨に使用
  • ペーパー
    針葉樹合板や木材の研磨(240~400番)、キッチンパネルの面取り(100~240番)に使用
  • 卓上スライド丸のこ
    外周額縁材の留め切りに使用
  • インパクトドライバー
    ビス止めや下穴開けに使用
  • 塗料用刷毛
    万能刷毛:30、60、90
  • 補足道具
    直線定規、直角定規、仮設作業台、スタイロフォーム
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ダイニングテーブルの作り方

キッチンパネルを使用したダイニングテーブルの作り方の手順は、切断加工の難易度が高いキッチンパネルから加工をし、キッチンパネルに合わせて合板を加工、合板に合わせて天板外周材を加工していきます。

キッチンパネルと合板の加工

最初に1820×910のキッチンパネルを仮設作業台のスタイロフォームの上に乗せ、直角定規を利用して長さを1150に切断、次に直線定規を利用して巾を750に切断します。
電動丸のこや硬質窯業系専用刃が無い場合には、不燃材用の細かい刃の手鋸で時間を掛けて切断して下さい。
硬度があるため、カッターナイフでは切れません。

キッチンパネル切断面の面取り
キッチンパネルの切断面の均しや四方の面取りには、ヤスリや100番程の粗いペーパーで均し、240番位で仕上げます。

次に針葉樹合板の上にキッチンパネルを乗せ、キッチンパネルに合わせて墨を付け、合板を切断しますが、合板の綺麗な面がテーブルの裏面になる様に切断します。
キッチンパネルより合板のほうがカンナ等で削って修正しやすいので、四方の側面がキッチンパネルと揃うように修正します。

工場生産のパネルや合板は90度に加工されていますが、メーカーの違いで微妙にズレますので、確認して合板側で修正して下さい。

ペーパー掛けをした針葉樹合板とキッチンパネル
四方の側面が揃ったら、合板の綺麗な面(テーブルの裏面)を240番のペーパーでペーパ掛けして、後にペンキ掛けしやすくしておきます。

骨組み材の加工と組立

骨組み材を合板サイズに合わせて加工していきます。

脚のケビキ線
合板の上端4角に同一方向から読める番号を1~4記します。
脚に使用する角材の上端を直角定規を使って正確に切り揃えます。

角材の上端にも番号1~4を記し、脚の位置や方向を決めます。
角材の中心から天板外周材の厚み25を振り分け、上端から80でケビキ線を描きます。

画像の様にケビキ道具があると4本の脚、8ヶ所のケビキ線が正確に描けます。
天板合板の外周と天板外周材の外側が揃う様に、合板に角材のケビキ線を合わせ、天板外周材の長さを合板に記します。
角材と天板外周材はビスを用いて、と付け接合にしますので、合板に記した長さで天板外周材を切断します。
※角材の太さが60角程あれば、大入れ加工をして、より丈夫に荷重を支える事が可能です。

天板中根太用大入れ加工
長手の天板外周材に図面通りに中根太用大入れ加工をしておきます。

脚と天板外枠
脚の角材に天板外周材を接合するために、予め上下2ヶ所以上のビス下穴を開け、ビスの頭を隠すための丸栓穴を開けておきます。
ビスが交差して当たらない様、少しずらして開けます。
※天板仕上げ上端から外周額縁材下端まで、角材の天板外周材から出た部分をすき取ります。

外周額縁材で隠れるビスは下穴のみ開けておきます。
ボンド、90、75のビスで脚と天板外枠の上端を揃え、ケビキ線に合わせて接合します。

脚と外枠金物補強
脚と外枠はビスで接合出来ましたが、テーブルの移動等、長く使用するとガタツキが出る恐れがありますので、特厚折れ金物で補強をしておきます。
金物にもペンキを塗れば目立ちません。

骨組みの完成
骨組み部分が完成です。
骨組み状態で角部分の面をペーパーで丸面にしておきます。

合板の貼り付けと脚の加工

骨組み部分に天板合板を貼り付けます。

合板貼り付け
合板の裏表に注意して、天板外周材に揃えて、ビスの頭が出ないよう、外周、中根太部分に細ビスでしっかりと止めます。
合板を固定する事で水平方向のグラつきが無くなります。

脚の切断と面取り
最後に、長めの脚を仕上がり高さが690になる様、切断します。
切断後に角部分をノミで大面を取り、ペーパーで丸面にします。

キッチンパネルの貼り付け

合板の貼り付けが出来れば、合板にキッチンパネルを貼り付けます。

パネル裏面に両面テープ貼り付け
パネルの裏面に画像の様に専用の両面テープを貼り付けます。
外周にはボンドが塗れる様に3センチ程開けて貼り付けます。

天板のコーナーと当て定規
両面テープが接着すると少しずらしたい等の微調整が出来ませんので、天板のコーナー部分に当て定規を止め、パネルを仮置きして仕上がりを確認しておきます。

パネルにボンドを付ける
仮置きで問題無く上手く収まれば、パネルに専用ボンドを付けていきます。
テーブルの天板では壁パネルと違って、空洞部分が少なくなる様、外周や両面テープ周りにたっぷりとボンドを塗り付けます。

パネルの両面テープを剥がす
ボンドを塗り付けたら、両面テープの接着保護フィルムを剥がします。
キッチンパネルを天板のコーナー部分の当て定規に添って、貼り付けます。

両面テープが全て接着する様、当て木で押えます。強く押えすぎるとボンドが両面テープ厚以下に広がる恐れがありますので、両面テープが接着する程度で、ボンドが硬化するまで約1日程待ちます。

外周額縁の取付けと丸面加工

キッチンパネルの貼り付けと、ボンドが硬化して密着すれば、外周額縁を取付け塗装前の仕上げをします。

パネルの固定と外周額縁の取付け
キッチンパネルの上端に揃えて外周額縁を取付けます。
コーナー部分は留め切りにして、木工ボンド、隠し釘、仮釘、細ビス等で固定します。

表部分は隠し釘か仮釘、或いはフィニッシュ釘で固定し、裏の外周材から細ビスで固定します。
慣れないと留め部分の密着は難しいかもしれませんが、根気よく丁寧に1ヶ所づつ取付けて下さい。

脚と額縁のコーナー丸面
額縁の固定が出来れば、コーナー部分を丸面に仕上げます。
脚のビス頭も丸栓で仕上げ、塗装前にペーパーで仕上げておきます。

塗装仕上げのポイント

最後に塗装仕上げをしますが、今回は、水性の艶ありペンキ(白)で仕上げています。

塗装仕上げのポイントは

  • ペンキは使用前に良くかき混ぜて均一にしておく
  • 一度に厚塗りをせず、薄く木の目に添って乾燥後に何度でも塗る。
  • 横や縦に塗ると刷毛ムラが出やすいので、同じ方向に刷毛を動かす。
  • ペンキの水分で木の表面が浮き上がりザラつきが出るため、最初の粗塗り後にペーパー掛け(400番)をして、表面を滑らかにする。
  • 細かい角部分は塗りにくく厚塗りになりやすいので、筆や細い刷毛などで修正する。
  • 刷毛は一度塗り終えたら毛先が固まらない様、水で良く洗い、次の使用まで水に漬けておく。

塗装終了とダイニングテーブルの完成
数回の塗装塗りが終わり、イメージ通りに軽量で頑丈、清潔感のあるダイニングテーブルが完成しました。

最後に

ダイニングテーブルの作り方は天板や脚の素材によって異なってきます。

同じものであれば、記事の内容通りにすれば作成できますが、大きさを変えたり、脚を太くする、天板材料を変える等すれば工夫が必要になってきますが、この記事を参考にして、入手できる材料と持ち合わせの道具類で工夫してダイニングテーブルの作成に挑戦して下さい。

完成後には、パネルを貼る前に額縁を取付けたほうが良かったかな?とか、もっとこうすれば良かった等と反省や学びが生まれてきます。
この記事を読むだけでは無く、自作して新しい学びや発見を楽しんで下さい。

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