電動工具の中でも比較的手頃な値段で購入できるトリマを使えば、本棚や棚、机、テーブル等の大入れ加工が正確に出来るようになります。
トリマの特徴とトリマで出来る加工方法を紹介します。
トリマの特徴
トリマはモーターの回転軸に専用のピット（刃物）を取付け、円状に切削される電動工具です。
軽量で片手で持つ事ができ、自由な切削が出来る反面、ブレやすく正確な加工には必ず、専用の型定規や両手による作業が必要になります。
両手による作業にはトリマより大型のルーターを使用します。
正確な作業の必要な木造住宅の梁の加工には、固定した台の上をルーターがスライドする大型大入れ加工機が使われます。
トリマで出来る加工方法とピットの種類
専用のピットの種類により利用用途も変わってきます。
主なピットの種類
ストレートピット
ストレートピットは溝加工や大入れ加工、自由な曲面のくり抜き加工等に使用します。
面取りピット
画像は本棚のギンナン面加工です。
面取りピットにはピットの形状により、ひょうたん面やギンナン面、ボーズ面や角面等と名前の付いたピットが有り、テーブルやカウンター、額縁や窓枠等の面取りを装飾面取りにして豪華に見せる為に使用します。
アリ溝ピット
アリ溝ピットはテーパー状の形状ピットでアリ加工の凸凹が作れ、テーブル等広い板材の反りを防ぐ裏桟や、まな板の裏桟加工に使用出来ます。
アリ溝以外にもV溝、U溝、シャクリ等、様々な種類があり、ピットを交換するだけでトリマを使った用途が広がります。
トリマで本棚や机に正確に大入れ加工する方法
大入れ加工をする事で本棚の棚や机の脚が荷重に耐え、反りや捻れを防ぎ、頑丈で正確なサイズの作品に仕上がります。
大入れ加工はノミとのこぎりだけでも可能ですが深さを一定に保つために、小型ミゾキリやトリマでの加工をお薦めします。
本棚の側板に厚み20ミリの棚板を大入れします。
トリマ型定規を作る
トリマの横ブレを防ぐために４ミリ～５ミリのベニア板で型定規を作ります。
ベニア板の両端は型定規の桟と直角になる様に固定します。
型定規の桟はベニア板より50～100ミリ長くしておきます。
型定規の両端に深さを決めたトリマをスライドさせます。
型定規の桟に溝が出来ます。
型定規の右端、左端の溝がピットの加工位置になり、加工墨に合わせれば切削を容易に行う事が出来ます。
本棚や階段等、同じ厚みの大入れ加工が多くある場合、画像の様な専用切抜き型定規を作ると、大入れ加工が早く、スムーズに出来ます。
この型定規の桟にも予め、溝を付けておきます。
本棚側板の裏面に型定規を当て加工位置と溝を合わせます。
型定規が振動でズレない様、しっかりと押さえるかクランプで仮固定しておきます。
トリマを型定規の切抜き左端手前から左上、右上、右下と移動します。
残った部分も型定規を移動して切削すれば大入れ加工の完成です。
大入れ加工の棚板部分です。
本棚の前部分は15ミリ程、突付け加工にして棚板の長さを揃えます。
棚板を組んだ本棚側板の裏面です。
本棚の前部分の棚板、突付け加工部分です。
本棚や机の場合は木工ボンドとビスで固定し、ビスを隠せば本格的な作品になります。
裏面に化粧板を張れば横ブレが無く、化粧板を壁面に固定すれば耐震効果にもなります。
大工の親父からのワンポイントアドバイス
型定規を使った作業は安全で正確なためオリジナル型定規を作って
いろんな電動工具による作品作りに挑戦してみよう！
最後に
主な棚板だけを固定し、薄い棚板は取り外し出来る大入れ加工や化粧ダボも可能ですので大入れ加工を覚えてオリジナル作品に挑戦して下さいね！