0.1ミリにも満たないカンナくずを刃の幅いっぱいで削り、木材や板材を鏡面仕上げにするにはカンナ刃を上手く研ぐ事が重要ですが、薄く削るためにはカンナ台の手入れ、調節も大切な作業になります。
カンナ台の仕組みと手入れ、治し方を詳しく紹介します。
カンナで薄く削るための3つのポイント
カンナで薄く削るためには、カンナ刃、押え刃、カンナ台の3つを手入れ、調節しないと上手く使いこなす事は出来ません。
簡単に紹介しておきます。
(1)カンナ刃
カンナ刃は先端を鋭く直線的に研ぐ為に何度も研ぎ、熟練する必要があります。
カンナ刃の裏も平に研ぐ必要があります。
(2)カンナ刃と押え刃
通常のカンナはカンナ刃と押え刃の2枚刃で削る仕組みになっており、押え刃はカンナ刃にかかる力の補助や刃を保護する目的がある為カンナ刃に密着していなければなりません。
(3)カンナ台
カンナ台は全体が平ではありません。
カンナ刃の出の調整や薄く削るための調節が大切です。
カンナ台の仕組み
カンナ台が平でない仕組みをご覧頂くため、木材に朱墨を塗り、カンナ台を押し当ててみます。
カンナ台に薄く朱墨が付きました。
特にカンナ刃の直後と最後尾に濃く朱墨が付いています。
0.1ミリにも満たないカンナくずを刃の幅いっぱいで削るには、カンナ刃を0.1ミリ出しただけで削れる様カンナ刃の直後が、削る材料に当たる必要があり、それ以外の部分が当たらない様に台直しと呼ぶ調整をします。
カンナ台の手入れ、治し方
カンナの台直し
カンナの台直しには1枚刃の台直し専用カンナでカンナ台を横に削り調整します。
台直し専用カンナが無い場合はペーパーを角材に巻き調整しますが、長い間放置していたカンナ台は狂いが大きいので、ペーパーを平らな角材に貼り、台の全体を平らにした後でカンナ刃の直後と最後尾以外を削れば上手く調整出来ます。
何度かさしがね等を当て隙間の確認をしながら調整します。
斜めにもさしがねを当て、カンナ台の前と後ろで捻れがないか確認します。
カンナ刃より前の部分を削り過ぎると削る材料の最後に端落ちと呼ぶ段差ができるので注意して下さい。
カンナ台の横にさしがねを当て、カンナ刃の直後に隙間が無い様に調整します。
カンナの台直しが出来れば、カンナ台の滑りと狂い防止に潤滑油を塗っておきます。
大工の親父からのワンポイントアドバイス
カンナ刃の研ぎ方と台直しを覚えて大工さんに近づこう!
経験あるのみ、頑張ろう!
最後に
カンナ刃と押え刃については次の機会に詳しく紹介します。