もうすぐ1年に1度の大掃除の時期!
下水処理が整備されている地域で見かける排水桝、たまには点検していますか?
掃除をする事さえ知らない人が多数居られるのが現実です。
長年、点検掃除をしないで放置すると最後は詰まって大工事になりかねません。
大変な事になる前にやっておきたい台所外部、排水桝の掃除と仕組みについて紹介します。
排水掃除の重要性
台所外部の排水掃除の重要性を語るのは、今年も含め数件の排水の完全な詰まりと漏れで大工事を経験した事が原因です。
入居以来、数十年、掃除どころか、詰まる事すら知らない家庭が多いのです。
人間の体で例えればドロドロ血液のコレステロールが血管壁に付着して、血栓や高血圧の原因に成る様なものです。
台所排水からの、マヨネーズや皿に残った油成分が排水管の壁に付着しセメント状に固まり、やがては完全に塞がってしまいます。
排水桝は点検や掃除が出来る様に桝内に油成分が貯まる仕組みになっています。
1年に1度、排水桝内の掃除をして、油成分を取り除けば、詰まる事はありません。
塞がって初めて気づくのですが、そうなっては裏技の使える場合以外は対処の方法がありません。
排水管の新規布設が必要になります。
裏技については最後に紹介します。
台所外部、排水桝の仕組み
台所外部、排水桝の画像です。
排水桝の周囲にあるのが油成分です。
図で排水桝の仕組みを説明します。
台所から流れ出た排水の内、油成分は水より軽い為、排水桝の上面に浮き、貯まります。
排水トラップ用エルボ管により、桝の底面から水分が排水され、油成分が桝内に残る様に設置されています。
排水桝の掃除をやらないで放置しておくと、油成分も排水管の中に流され、やがては排水管の詰まりへと進んでいきます。
エルボ管は取り外しが効き、エルボ管の周りや排水管も掃除出来る様になっています。
台所排水桝以外の排水桝はエルボ管が建物側に設置され、浴室や洗面所に排水管の匂いが行かない工夫のトラップ構造になっています。
排水管の詰まりを解消する誰でも出来る裏技
裏技の成功例を紹介しますが排水桝の構造や材質でも変わります。
特に古いセメントの桝で地中に漏れ出した場合や全ての詰まりに対処できるとは限りません。
排水経路は建物内部から外部、排水管を通って敷地内最終桝、道路へと同じ方向に流れています。
同じ方向に流れる為、引っ掛かりが出来ると同じ角度で引っ掛かり、詰まる原因になりますが、逆方向から水による圧力を掛けてあげれば引っ掛かりが緩み、一気に詰まりが解消する場合があります。
同じ方向から掃いたホウキでは取れないゴミも逆方向からは取れる現象と同じです。
敷地内最終桝の蓋を開け、水道ホースを排水管の建物方向に差し込み、排水管の隙間をタオルやウエスで塞ぎます。
水道蛇口を開け、水を流し、排水管全体に行き渡り排水管の隙間が耐えられない程の水圧を感じた時点で水を止めます。
最後にタオルとホースを一気に外します。
一気に油成分等の固まりが流れてくれば大成功です。
固まりが流れる事を想定して網目のかご等で油成分を受ける準備も大切です。
最後に
実例の場合は全ての排水管が建物内の床下を通っていたため、床板を外して大工事になる前に試しで行い、見事に成功できました。所要時間は30分程度でした。
どんな状況でも使える訳では無い為、小まめに排水桝の点検や掃除をする事を習慣付けされる様に心がけて下さい。