古い箪笥のリニューアルで決め手となるのが最後の仕上げになる塗装です。
塗装の善し悪しが仕上がりを左右します。
塗装や飾り金物取付の仕上げポイントを紹介します。
塗装選び
塗装は木の材質、使用する場所、目的、色や質感の好み等によって選び方も変わります。
ある程度の好みや塗装材料を絞って試し塗りをしてみましょう。
ホームセンター等で塗料の用途を選び、最小の缶を数種類選び、試し塗りに利用する方法もあります。
取り外した古い台枠にペーパー掛けをして好みの塗料を試し塗りしてみました。
塗料はオイルステインのウォールナット、メイプル、ライトウォークの各色の種類
塗料以外に植物油ワックス、料理用油(なたね油、ごま油等)も試しました。
結果、塗りやすさ、光沢、色合い、今後の重ね塗りも考慮して、植物油ワックスを使用する事にしました。
植物油ワックス
自然素材として人気のある植物油ワックスです。
外国製で値段も高めですが半練り状の為、液体塗料に比べ少量でよく伸び、ウエスなどで雑巾がけのように塗りこむ為、液体塗料に比べ塗りやすく、色むらも無く、刷毛塗りの様に技術の差もありません。
DIYに適した塗膜素材と言えます。
主に無垢のフローリングや家具に利用されています。
金物の取付までに箪笥外枠と引き出し欅部分を入念にウエスを使って塗り込みます。
引き出し金具や角補強の飾り金物の取付
錆びた引き出し金具や角補強の飾り金物は予めペーパー掛けをし、錆び止めをして、薄く黒いペンキを塗っています。
釘は錆びも酷く弱いので新たに真ちゅう釘を使います。
古い釘穴の埋め木には爪楊枝を使うと便利です。
建具の丁番ビスの古い穴等に爪楊枝や割り箸を利用して埋め木をし、新たな効き穴を確保します。
箪笥外枠に飾り金物が真ちゅう釘を使って取付できました。
小引き出し錠前箇所には太鼓鋲が使われています。
太鼓鋲は銅板の加工品で、主に釘隠しの目的で釘やビスの頭を飾る、木の塀や焼板、格子戸、民芸家具等の化粧鋲として利用されています。
ワックスがけ、引き出し金具や角補強の飾り金物の取付が終了しました。
引き出しと小引き出しの色合いが欅の材質で違って見えますが、手作り品らしい味わいになりました。
和室に再設置して新たな息吹と価値観を感じています。
ちょっと手を加えるだけで、これからも長く使えそうです。
大工の親父からのワンポイントアドバイス
金物を外したりペーパー掛けが出来ない時は、漂白効果のある酢で拭いたり、熱いお湯で洗うだけでも綺麗になるヨ!
最後に
日本の古い箪笥や民芸家具、アンティーク家具は海外で人気が高く、多くの中古品からリニューアル、再生品まで高値で取引、輸出されています。
日本の良さを見直して国内で大切に利用、保存して欲しいと願います。
箪笥に限らず、無垢の木製品はペーパー掛けや洗いが可能です。
捨てたり処分する前に再利用の方法も考えてみて下さい。