小屋や物置の屋根や壁の作り方とトタンやポリカ波板の貼り方

DIYで小屋や物置の屋根や壁の波板を張替える場合、ポリカ波板や波トタン、傘釘や波板ビス等の種類を使用場所や目的に合わせて選ぶ必要があります。
使い方、貼り方を間違えれば雨漏りや耐久性に違いが出てきます。

トタン小屋の作り方や屋根の作り方、木材の下地や垂木間隔に合わせた波板の貼り方、端を押さえるコーナー処理の固定や打ち方、切り方等を詳しく紹介します。

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トタン屋根をdiyで張り替える

トタン屋根を自分で張り替える場合、垂木や横桟から取り替える場合とトタンだけを張り替える場合ではトタンを貼る作業手順も変わってきます。

垂木や横桟が腐食していたり、もっと太い垂木や横桟に取り替えたい場合は下記のトタン屋根の作り方を参考にご覧下さい。

屋根のトタンだけを張り替える場合は、脚立に乗って端の古いトタンを剥がし、新しいトタンの波部分を古いトタンの波に重ねて貼り、順番に古いトタンを剥がしながら張り替えていけば屋根の上に乗らずに安全に張替えが可能です。

トタンの貼り方は下記の波板の貼り方をご覧下さい。

トタン小屋の作り方と注意点

トタン小屋を作る場合も作る場所によって作り方も変わってきます。

畑や空き地で作業小屋として仮設小屋を作る場合は足場に利用する単管パイプや丸太ででも作る事は可能ですが、住宅の敷地内となると小屋とは言え、角材の柱や梁を使用して使用目的に合わせた作り方にする必要があります。

住宅の敷地内に小屋を作る場合の注意点
敷地内に小屋を作る場合、たとへ物置や小屋であっても10平方メートル(約6畳)以上の面積では建築確認申請が必要になります。

内緒で建てても、近所からの苦情や自治体の現地調査で指導を受ける場合がありますので、自己責任で建ててください。

ここでは、10平方メートル未満の小屋を作る事を前提に説明していきます。
3.64(2間)×2.73(1.5間)=9.93平方メートルで10平方メートル未満の面積になります。

小屋の作り方については新たに記事作成出来次第紹介します。

トタン屋根の作り方

トタン小屋の作り方
画像の図面は2間を分かりやすく3.600で表示しています。
屋根は3寸勾配、柱、梁、母屋は90角、1.8m(1間)間口の屋根で、棟から軒先まで2.4m(8尺)のトタンや垂木が必要になります。

1.5間の間口の場合は、軒先の出幅が300で棟から軒先まで1.8m(6尺)、軒先の出幅を500~600にしたい場合には2.7m(7尺)のトタンや垂木が必要になります。

トタン屋根下地の作り方
トタン屋根下地、棟から軒先まで2.4mの片流れ図面ですが、この屋根では12.96平方メートル(8畳)の屋根になってしまいますが、間口3.6m×桁行2.7mや間口2.7m×桁行3.6m、どちらかで考えてください。

基本的に垂木が45角、垂木間隔が450ピッチ、横桟が35角、間隔が300~450ピッチで下地を作ります。
トタンの厚みは0.19ミリ~0.25ミリ、0.3ミリ等と表示されていますので、横桟間隔はトタンの厚みによって変える事も可能です。

屋根に貼るトタンの厚みは耐久性などを考えて0.25ミリ以上を選び、0.19ミリや0.2ミリの厚みは壁に使用してください。

トタン壁の作り方

トタンを壁に貼る場合の下地胴縁、横桟間隔は450ピッチ以内でトタン長さによって総割りします。
1.8m(6尺)や2.7m(9尺)のトタンであれば450ピッチ、2.4m(8尺)のトタンであれば400ピッチ等と総割りします。

入り口や窓の回りは、額縁を作る場合は、額縁取り付け後に額縁周囲に胴縁を打ち、横桟を入れます。
額縁を作らない場合は窓の回りに胴縁を打ち、横桟を入れます。

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波板の種類

ホームセンターで購入できる波板の種類
波板には、スレート系やグラスファイバー系等沢山の種類がありますが、DIYや日曜大工の木材下地に使いやすい波板の種類と特徴です。

亜鉛めっき鋼板(トタン)

古くからあるグレーやこげ茶色の亜鉛めっき鋼板(トタン)ですが、最近では焼付塗装のガルバリウム鋼板で錆の発生も少なくなり工場や倉庫等に広く使われています。

  • 波トタン
    波形のグレーやこげ茶色のトタンで、鋼板の厚みや長さの種類も豊富ですが、ホームセンターで購入出来るのは、6尺(1.8m)~10尺(3m)の長さが標準的です。
    屋根や外壁に使用されます。
  • 角波トタン
    角波トタンは外壁に使用する、トタン板に山形や角形の突起があるプリント板から工場や倉庫の外壁に使用する長尺鋼板まで種類も豊富にあります。
  • 金属サイディング
    住宅の外壁に使用される鋼板で、内部に断熱材が貼られています。

波トタンは、夏場に高温になる事や鋼板のため加工が簡単ではないので、加工の少ない屋根や壁、高温でも影響のない物置等に適しています。

塩化ビニール製(塩ビ)ビニールトタン

塩ビ)波板の劣化
価格も安く、柔らかく柔軟性があり、小屋や物置に使われてきました。
日曜大工にも使い易い波板です。

画像のように、太陽熱や風雨による劣化が激しく、硬化してボロボロになり、長い間、性能を持続するのは難しいといえます。
使用する釘も鉄釘にプラスチックの傘がついた傘釘が使われる事が多かったためプラスチックは硬化して無くなり、釘は錆て、下地まで腐食が進んでいる事が多くあります。

小屋や物置の屋根への使用はお奨め出来ません。

ポリカーボネート(ポリカ波板)

ポリカ波板シール
広く使われているのがポリカ波板です。
価格は塩ビ波板に比べ、高めですが劣化が少ない事を考えれば塩ビ波板よりお得です。

10年以上が経過したポリカ波板でも未だに劣化状態を見た事がありません。
半透明の波板の片面にシートが貼られているので、シート面を太陽の当たらない側にする必要があります。

片面に目印のシートが貼られていますが、切断する際に、シート面が分からなくならない様、注意が必要です。
カラーは半透明でクリアー、ブロンズ、グレー、ブルー等があります。

乳白色や梨地のタイプは透けて見えにくいので小屋や物置の壁に適しています。

ホームセンターで購入出来るポリカ波板には、張替えの目安が10年のタイプや太陽面の指定が無く、薄くてペラペラで軽く両面利用出来るタイプまで出回っていますので、屋根や壁等の使用目的に合わせて選ぶ必要があります。
使用目的に合わせて選べば、ポリカ波板はあらゆる場所にお奨めです。

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トタンやポリカ波板の貼り方

波板すくいと被せ
波板の両端は、ポリカ波板と波トタンで形状が違います。
ポリカ波板は画像のように、両端が波の谷底と山の部分になっています。

俗に端が波の谷底部分を被せ、山の部分をすくいと表現しています。
ポリカ波板は1枚の波板の端が被せとすくいになっていますが、波トタンの場合には1枚の両端がすくいと被せに別けられ、すくいの波トタンと被せの波トタンを交互に貼りながら2枚でセットになります。

波トタンを貼る場合には、すくい、被せの確認を怠ると、片方が偏って残り兼ねません。
貼る前に、すくい、被せの枚数確認をしておいて下さい。

連結して貼っていく場合、すくいを下に敷き、被せを上から重ねます。
最低限2山は重ね、全体幅に余裕がある場合には、重ねが同じになる様2山以上重ね、最後の波板を中途半端に切ったり、重ねが偏らない様にして下さい。

被せの最初の山に釘が止められますが、逆になるとすくいの部分に水やゴミが入りやすくなります。
必ず、被せを上に重ねて下さい。

波板の貼り方!屋根に波板を貼る場合の注意点

波板用ステンレス傘釘
木下地の場合はステンレス傘釘を使用します。
山の頂点に山がへこまない程度まで打ち込みます。

ポリカ波板は半透明で内部が明るいのですが、物置などで陽射しを抑えたい場合には亜鉛めっき鋼板(トタン)と併用する事も可能ですが、トタンの波ピッチとポリカ波板の波ピッチが違う場合、縦継ぎには注意が必要です。

屋根の端には波のすくい部分で終わる様にすると、雨が端から落ちる事も無く、木下地も端から控えて切れるので変色や腐食も少なくなります。

屋根の波板を張り替える場合の注意点

木下地用波板スクリューネジ
屋根の波板を張り替える場合、木下地の横胴縁や垂木が腐食して釘やビスが効きにくい場合があります。
胴縁や垂木を新しく取り替えるか、横に添える等の工夫が必要です。

垂木のピッチが450ミリ以上や古い胴縁のピッチが300ミリ以上に広い場合、中間に胴縁や垂木を加えて下さい。
木下地を新しく取り替える場合にも、垂木や胴縁のピッチを参考にして下さい。

台風や強風の影響を受けやすい屋根の場合には、垂木や胴縁もビス止めにし、波板も画像の様な波板専用の波板スクリュービスで固定して下さい。
波板スクリュービスはステンレス傘釘より価格が高く、数量が多く必要な場合には、屋根の両端や軒先部分だけでも波板スクリュービスで固定すれば、強風の影響を抑える事が出来ます。

金属下地用波板スクリューネジ
カーポートやベランダ屋根の骨組みがアルミ等金属の場合、画像の様な金属下地専用の波板スクリューネジが有ります。
下穴不要で直接固定出来ますので、フックの間隔が広い場合や風でバタバタする場合に補強に利用して下さい。

波板の貼り方!壁に貼る場合の注意点

基本的に屋根の貼り方と同じですが、上下の両端は端から30~40控えた場所に釘が打てるように横桟を入れます。
トタンの場合、山が潰れる恐れがあります。

上下に2枚で継ぐ場合も30~40控えた場所に釘が打てるように重ねます。
コーナー処理の方法で壁全体の貼り方も変わってきます。

壁コーナー処理の方法と固定や打ち方

壁に波板を貼る場合、コーナー(角)部分の処理の修め方や終い方にも幾つかの方法が考えられます

コーナーで貼り終え、コーナー鉄板を被せる
この方法は加工も容易で雨の染みこみもありませんが別途、コーナー鉄板が必要な事と鉄板のカラーが雰囲気を損ねる場合もあります。

コーナーで貼り終え、20センチ程に切った波板を被せる
予め、波板を20センチ幅に切リ、波板の山部分を直角に折り曲げ、コーナーに充てがい、山部分が合う様に壁の波板の張り始めを決める。

コーナー部分を被せで重ねる
被せ部分を角よりはみ出し気味に貼り、互いの被せを重ね気味にして雨の染みこみを防ぎます。
すべてのコーナーを被せで重ねる事は無理なので、目立つコーナーか重要なコーナーにする。

波板の山部分で直角に折り曲げて貼る
1ヶ所のコーナー部分は貼れますが、すべてのコーナーに上手く山部分が合うとは限りません。
コーナー部分が4ヶ所あればコーナー鉄板、2ヶ所であれば折り曲げか、被せで重ねる方法が考えられます。

波板の切り方や切断道具

波板切断道具
波板の切断や加工にはハサミやのこぎり、サンダーを波板の種類や用途で使い分けます。
画像は左から鉄板用万能ハサミ、ステンレスも切れる万能ハサミ、波板形状に合った波板ハサミ、カネキリノコ、目の細かい手のこ、金属刃のサンダーです。

ポリカ波板は画像の道具全てや電動丸のこで切断が可能です。
早く、安全で正確に切るには、万能ハサミと波板ハサミがお薦めです。

波トタンの場合には金属刃のサンダーも利用できますが、万能ハサミと波板ハサミがお薦めです。
波板ハサミは特殊な形状でプロ専用でしたが、最近はホームセンターで購入が可能です。

波板を横に切る場合には波板ハサミ、波板を縦に切る場合には万能ハサミを使います。
万能ハサミと波板ハサミがあれば安全な加工ができますが、波板ハサミは他の用途が無く万能ハサミだけでの加工も可能なので、用意しておきたい道具の一つです。

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最後に

塩ビ波板とポリカ波板の加工や貼り方に違いはありません。
価格の差よりも耐久性の差を優先してポリカ波板を使用する事をお奨めします。

近年、台風や豪雨が巨大化し、これまでの常識が通用しない程の被害が増えています。
強風による波板屋根の被害も釘からビスに変え、固定するピッチを細かくする事で、防げる場合があります。

屋根の波板を張り替える場合は安全で安心な屋根になる様、価格や手間を惜しまず、頑丈な仕上げを心がけて下さい。

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