墨付けに必要なかんばん板の作り方

墨付けを行うには多種多様な部材の寸法や継ぎ手等を頭で憶える事は困難です。
間違いのない墨付けに必要なかんばん板の作り方を紹介します。

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かんばん板を作る目的

かんばん板土台部分
墨付けに必要なかんばん板を作る目的は数多い柱、土台、梁等の各部材、各配置箇所に番付けと呼ぶ符号を付け記入漏れや構造材を組む際の利便性に使います。

かんばん板に最初に描いた各図面は、墨付けが間違いなく出来、加工や建前がスムーズに出来る様、墨付けを行う人だけが理解できる、あらゆるメモや記入漏れチェックにも 使いますので墨付け終了時には汚れた雑然とした板に変わっています。

かんばん板に描く図面の種類

かんばん板に描く図面の種類
画像はベニア板に描いた新築のかんばん板ですが保管状態が悪いので薄く分かりづらいですが一階平面図、二階平面図、土台伏図、一階梁伏図、小屋伏図、メモ欄が描かれています。
大工さん、地域、建物の種類や大きさによって他の伏図や描き方は様々ですが一般的な住宅のかんばん板で説明します。

●一階平面図、二階平面図
平面図で窓、入口、柱の位置を確認しながら、各伏図の部材に必要な墨付けを行います。
柱の墨付け終了チェックにも利用します。

●土台伏図
土台伏図では、布基礎の上にひく土台や大引き等、床下部分の墨付けに利用し柱のホゾ穴や間柱欠き、土台の継ぎ手等の墨を付けて行きます。

●一階梁伏図
一階梁伏図は二階床下の梁材や平屋部分の小屋伏図も兼ね梁材に一、二階の柱ホゾ穴や間柱欠き、梁の仕口等の墨を付けて行きます。

●小屋伏図
小屋伏図は屋根伏図とも呼び、桁、梁、丸太梁、火打ち梁、束、母屋、タルキ等屋根組みに必要な部材の墨を付けて行きます。

●メモ欄
墨付けは何日間にも及ぶため、記憶に留めておきたい数値や注意事項に利用します。

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かんばん板、番付けの付け方

かんばん板、番付けの付け方
かんばん板の番付けはX方向Y方向に割り当てた符号の交錯する場所を示し、かんばん板だけで重複の無い部材の墨付けが可能になります。
将棋や囲碁の碁盤に縦、横の符号が付いているのと同じ事です。

方眼紙に図面を描く要領で建物のモジュール寸法を一マスで番付けを付けます。
番付けを付ける方向は様々です。大工さん、地域で異なります。

文章を縦書きする場合には右上から始めますが、横書きは左上から始めます。
かんばん板は昔から伝わるため、いろはにほへと、一二三と付ける大工さんが多いですが、あいうえお、123、ABCでも分かりやすく、建前(組み方)がスムーズに進むのであれば、どんな番付けでも問題無いと思っています。

大工親父のワンポイントアドバイス大工の親父からのワンポイントアドバイス
かんばん板を作る目的を理解して
自分だけが分かる、かんばん板に挑戦しよう!

最後に

次回は墨付けに必要なかんばん板以外の道具についてお伝えします。

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